「……あんたの場合、気が付くのが遅すぎ」


 そう言った聖くんは、長い溜め息を吐いた。


「もう、手遅れっていうこと?」

「ああ。あんたは瑠珂と再会してしまった。俺としては、再会しないままフェードアウトして、瑠珂が違う“モノ”に依存するのを待っていたかったんだけどな」

「……ごめんなさい」


 私のせいだ。私が2人の言葉通り、瑠珂くんに近付かなければこんなことにはならなかった。……私の、せい。

 罪悪感で泣きそうになっていると、聖くんはまた溜め息を吐いた。


「……まあ、過ぎたことを今更くよくよと考えていたって仕方ない」

「で、でもっ」


 考えていたって仕方ないって言われたって、こればっかりは考えちゃうよ!だって、私のせいだもん!


「確かに、あんたと再会した今の瑠珂からあんたを取り上げたら、瑠珂は荒れるだろう。今まで以上に。最悪、人を殺めかねない」

「……!」

「――だが、もう1つだけ……最善の処置がないこともない」


 最善の……処置?

 こうなってしまって尚且つ、最善だと思われる処置があるの?


「聖くん、お願い!教えて!」


 この状態を打破できる、私にも出来る最善の方法があるのなら……私はそれを全力でやりたい!