「安藤(あんどう)先生。瑞季の傍にいても、いいですよね?」


 うわぁ、心なしか瑠珂くんの笑顔が黒く見えるよっ。怖いよ、瑠珂くん……!

 そんなただならぬ瑠珂くんに圧倒されたのか、テストで満点を取られたことがビックリだったのか、先生はコクリとうなずいた。

 って、いいんですか?!先生!


「た、ただし!条件があるぞ」

「……なに?」

「これから先で出されるテストで、1枚でも満点を取れなかったら……即、自分の教室に戻れ。いいな?」

「……今日から2年の教室(ここ)が俺の教室なんだけど?」

「違う!そういう意味じゃなくて、お前の本来の1年生の教室だ!」


 先生がそう言い放つと、瑠珂くんはにやりと笑みを浮かべた。


「いいよ、先生。“そんなこと”で瑞季の傍にいられるのなら、喜んでその条件を受け入れてあげる」


 瑠珂くん、何やら余裕そう?これ、もしかしなくても、本当に満点ばかり取っちゃうのでは……?


「そ、そうか。よーし、早速だが、今から抜き打ちテストをする!」


 先生のその言葉に、クラスメートのみんなは再びぎょっとした形相でこちらを向いた。

 そして、みんなの口から嫌悪が含まれた叫び声があげられたのは、言うまでもない……。