えっ、えぇー……?そんなにも嫌われている、というより、怖がられているの?瑠珂くんって。

 しかも、瑠珂くんの名前を出した瞬間、周りにいる生徒たちは“信じられない”と言わんばかりの目で私のことを凝視しているし……。

 うう、そんなにも凝視されたら居づらいよー……。

 何か特別に変なことをしたわけではないのに、いたたまれなくなった私は、そそくさとその場を後にした。


「はあ……」


 女子生徒は知らないって言っていたから、教室に瑠珂くんはいなかったんだろうな……たぶん。

 じゃあ、あと考えられる瑠珂くんがいる場所ってどこだろう?まさか、早退してもう校内にはいない……なんていうことは無いと思いたいのだけれど。

 うーん……屋上?いや、まさかそんな単純なわけ……。と、疑いつつも、私は屋上に行ってみた。

 うん。ほら、いくら昼休みといえど、誰も屋上に来て……来て……来てるっ?!誰かいるっ!

 ここからは後ろ姿しか見えないけど、制服からして男子生徒のようだ。金色の髪がさらさらと風に遊ばれている。何やら冊にもたれ掛かって景色を眺めているみたい?

 ……って、あれ?この後ろ姿、私が捜していた瑠珂くんなのでは?