仕事が終わりいつもなら
真っ直ぐ家に帰っていた。


あたしの店は送迎付きだったから
ドライバーが送ってくれたりしてた。




「りん!今日も送ろうか?」



-“りん”というのはあたしの源氏名
いわゆる、店の中での名前。




「あ、お願いします」

「なあ、りん?
たまには飲みに行ったりしたら
いいんじゃないか?」

「どこに行くんですか。
あたし1人ですよ?」



そう言うと、ドライバーが
あるところに連れてってくれた。



それは、よくホストたちが
キャッチをしている広場。



「ほら、あそこにホストがいるだろ?
たまーにでいいんだ。
飲んでストレス発散してこい」

「でも・・・」




ホストクラブなんて
あたしは一回も行ったことなかった。



あんな華やかな場所に
自分が行っていいもんなのかと。