「ほら、朝飯」


「ありがとう、いただきます」


テーブルの上には牛乳とベーコンエッグ、それにサラダとトーストが置かれていた。


「男の人の料理って珍しいね。すごい」


「別に。一人暮らし長いけど、これくらいしかできねぇよ」


月は黙々とサラダを食べている。


「何かこういうのいいよね」


私はフォークを置き、月を見た。


「普通だろ?」


「一人で食事するの多いから......嬉しくて」


月は、食べるのを止めた。


「家族で一緒に食事したりしないのか」


「お父さんもお母さんも仕事が忙しいから。いつも私は一人だよ」


「色々あるんだよ、大人は」


食事を終えた月は、眠そうにあくびをした。


「俺は寝る」


「ごめんね、こんな話しして」


月は、返事をしなかった。