桜の花びらの舞う4月。

「花怜!クラス替えの表!」

私は学校にいました。

「3年2組!今年も一緒のクラスだね!」

それはもちろん当たり前。

なぜなら私は高校3年生だから。

「そうなんだ!嬉しい。」

私、深森花怜(フカモリカレン)は一般的なごく普通の人。

…あ、ごめんなさい。今の嘘。

私は…。

「教室行こ!」

「うん!そうだね!」

人じゃなかった。


教室に行くまでにざっと説明すると、私の素性はこう。

私は私立以詰面学園に通う高校3年生。

だけど私は人じゃなくて、魔界の住人。

イメージが悪いかもしれないけど、言い方を変えれば悪魔ってこと。

こんな感じかな。


「花怜ーー!!」

ハッとして顔を上げると目の前は曲がり角。

「わわわわ…。」

顔をぶつけるところだったぁ~!

「ほんと、花怜はドジだねぇ〜」

「そんなことないよー!!」

どうやら私は周りから見るとドジらしい。

自覚は全くないけれど。