まるまる1年間の思い出もなく、先輩は離れてしまう。
分かっていたことだけど、寂しくてたまらない。
「陽菜……」
「先輩、頑張ってくださいね!
入試のためにサポートしますから。
えっと、送り迎えは明日からいいですよ。
迷惑かけちゃいますし」
私のわがままで先輩の夢を潰すわけにはいかない。
地元の大学にしてって言ったら、翼先輩は本当にしてしまいそうな気がするから。
いつも助けられていたから、今度は私が支えてあげたい。
「送り迎えはする」
「いいですよ!
少しでも多く勉強に時間を使ってください。
その代わり入試が終わったらいっぱい遊んでくださいね」