「先輩!踊りましょう!」
「は?」
「後夜祭のラストの曲で踊った人とは、ずっと一緒にいれるっていうジンクスみたいなのがあるんですよ」
だから田辺先輩はこの勝負を持ちかけてきたんだと思う。
でも、翼先輩は譲れない。
私がずっと翼先輩と一緒にいたいから。
「……踊るか」
「はいっ!」
ラストの曲が流れ始めて、翼先輩は私に手を差し出す。
その手に自分の手をそっと重ねる。
そして、遠くから聴こえる曲に合わせて2人きりの屋上で一曲踊り切った。
翼先輩とこれからも一緒にいれることを願って。
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