「陽菜ーおかえり。どうだった?」



「花香ちゃん……」



「え、暗い暗い。何があったのよ」






私の表情を見るなり、焦りだす花香ちゃん。


何があったか自分でもよく分からない。





気がついたら私は翼先輩のキスを拒んでいて、そこから気まずかった。





悪いのは、完全に私だ……。






「何でもないよ」




作り笑いを浮かべ、自分の席に座り次の授業の準備をした。



花香ちゃんには何かあったことなんてきっとバレバレだ。





でも、今は整理させてほしいんだ。