「……俺はよくない」 「え?」 「俺はよくない。 陽菜が思ってること、ちゃんと聞かせて?」 私と向き合い、目を合わせる。 その瞳はどんな些細なことでも受け止めてくれるよう。 「あの、どうでもいいことなんですが」 「ん」 「本当にどうでもいいことなんですが」 「ん」 呆れられるかもしれないから前置きをしておく。 それを頷いて、話を聞いてくれる体制に入る。