「でも、やっぱ陽菜と2人がいいね」 「え……」 「相変わらず美味い」 お弁当のおかずを口に入れて、頬を緩める翼先輩の横顔を眺める。 サラッと嬉しいことを言ってくれる。 その言葉だけで心のモヤモヤは簡単に晴れてしまった。 「で、何か言いたそうな顔してるけど?」 2人もお弁当を食べ終わり、翼先輩が私の髪で遊んでいる。 髪をクルクルと指に絡めている。 何も考えてなさそうなのに、私の変化に気付いていることに少し驚いた。