今度は花火を見れる真っ暗な場所にたどり着いた。




「ここは、すごくキレイに見えるんだよ」





花火が上がる正面の堤防。


楽しみなのに、私の頭は大希くんで埋め尽くされてしまっていた。







「……なちゃん、陽菜!」



「はいっ!」




あれ、名前呼ばれてた?


全然気づかなかった。





「さっきからずっと呼んでるのに」



「す、すいません……」



「何考えてたの?」





先輩と一緒にいて、他の人のことを考えてたなんて失礼だよね。


言い訳も見つからず、無言になる。