通された部屋は大女将が居てる場所だった


[遠い所をわざわざ来て頂き有り難うございます。早速なんですが…]

そこまで言うと…


【帰れ!】

と声が聞こえた。


私は部屋の中を見渡し…


『あれだな…』

そう呟いた。



私はそのモノに近付き印を結びながら話し掛けた。


『貴女はここでなにをしてるの?なぜここにいてるの?』


…………………。

無言だった…


仕方が無いのでもう一度、同じ言葉で問い掛けた。


【私は…】


私は?


【ここで奉られてたんじゃ…】


ここで奉られてた?


「ここに社などを奉ってた場所はありましたか?」

すかさず父が大女将に質問した。


[確か…。昔ですが私の母の時代にこの裏手にある井戸の近所に小さな社があった記憶がありましたが…今はどう成ってるのか…]

と答える大女将。



『地神さま?それとも水神さま?』


私は訊いた。


【………………】


また返事をくれないんだね…


仕方が無いので違う質問でいった。