大女将は黙ったまま下を向き…



長い沈黙の後…


大女将が急に立ち上がり書斎の方へと歩いて行き机の一番上の引きだしの鍵を開け何か?を出した。


私達3人はその様子をずっと観てた。



大女将はその何か?を手に持ち私達の所へ来て差し出した。


目の前に置かれた一冊の古びたノートらしきもの…

表紙に『台帳』と書かれてあった。



祖父がその台帳を手に取り中を確認ると



『これは!』

と祖父の声がし動きが止まった。



父がすかさず祖父からその台帳を取り中を観て行き…


「なるほど…」


父は祖父と違い冷静に答えた。



私は意味がさっぱり解らないまま祖父も父も喋らなく成ってしまったのでなんなんだろう?
父が手にして中を観てるものは…

と思ってると。



「表上は台帳と書いてあるんだけど…これは借用書みたいに成ってるんだよ…」


解らない私に対して父が話してくれた。




〔この一冊のノートは先々代が創ったらしく先代の女将から私が譲り受けたのは私が女将に成りそして先代の女将である母が無くなっる直前に受けとり母の方から【これは代々この温泉旅館に伝わる女将だけが持つ物】そう言って渡されました。〕


そう言った大女将。