「ふぅん? そのせいで俺が他のクラスメイトに抜かされたら?」


威圧的な口調でそう言われて、あたしの焦りは更に高まる。


三岳友輝は怒っているのだろうか?


あたしが安易に勉強を教えたりしているから。


なにも答えられず、またうつむいてしまう。


そんな時だった。


「おいおい、そんなに責めるなよ。香野だって悪気があって勉強を教えてるワケじゃないんだから」


と、軽い感じの声が聞こえてきた。


今にも泣いてしまいそうになっていたあたしは、ソロリと顔を上げる。


見ると目の前には笑顔の清野光磨が立っていた。


「あ? 別に責めてるワケじゃないけどよ……」