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次の授業が始まったあたしは一旦教室へ戻り、休憩時間に保健室へ行ってみると光磨の姿はもうなかった。


母親が来るまで迎えに来たそうだ。


そういえば、授業の最中に北野先生が光磨のカバンととりに教室へ来ていたっけ。


その時光磨は帰ったんだ。


下がりかけていたけれどすごい熱だったし、当然だ。


あたしは誰もいない保健室なら、ゆっくりと教室へと歩いていた。


脳裏には光磨の首筋の汗が浮かんでは消える。


ドキドキする胸と同時に、ズキリと痛む胸。


あたしは自分の複雑な感情に戸惑っていた。