サッと手を引くあたし。


悪い事をしているワケじゃないのに、なぜだか罪悪感がよぎる。


それほど、熱をもった光磨は艶美だった。


「兄妹がいるっていいな……」


また目を閉じる瞬間、光磨はそう言った。


ハッとして光磨を見る。


その表情は穏やかで微笑んでいるように見えた。


兄妹……。


その言葉にズキリと胸が痛んだ。


どうしてだろう?


兄妹だという事は夏ころから知っていたのに。


どうして今頃胸が痛むんだろう……。