ザワザワと音を立てながら一番後ろの席に座る、2体の蟲人間。


その姿を認識した時、あたしは愕然としてしまった。


一体いつからそこにいたのだろう。


全く気が付くことができなかった。


朝口容子をあそこまで取り巻いていたという事は、随分前から2体の蟲人間も存在していたはずだった。


それなのに……。


あたしはそれに気が付けなかった。


あたしは体勢を元へ戻し、唇をかみしめた。


こんな事は初めてだった。


悔しくて情けなくて、悲しさがこみあげてくる。