『はっ!』


私は起きあがった。その瞬間に鼻につく消毒液の臭い…ここが病院だとわかる。



私の回りには誰もいない…


そうだ、父はどうなったのだろうか。


たしかあのとき私をかばって…


ガラガラ


『悸依ちゃん、君は何も怪我がなくてよかったねもう大丈夫だよ』


私の目の前に医者と看護師が立っている。


そうだ、父はどうしたのだろう





『パパは大丈夫なんですか?』



そう言うとお医者さんは顔を歪めた。


『君のお父さんは…助けられなかったよ。
ほんとにすまない。』




私はその言葉を聞いて唖然とした。

何かのまちがえだと思っていた…



その時、母が病室に入ってきた。

母に私はすがりついて聞く



『パパは、元気なんだよね?生きてるよね?』

パシン



『っ!!』


私は母に叩かれた

意味がわからず母の方を見ると、

冷たい目をした母がこちらを見ていた。



『和希が死んだのはあなたのせいよ、
何で死んだのが貴方じゃなくて和希なのよ!』



母は泣き叫び私を睨んでいる。



『奥さん!落ち着いてください』



医者が必死になって止めるが母は止まらない


『和希をかえして!!この悪魔!!』



私はこのとき初めて母から父を奪ったのだと

………私自身が悪魔なんだと


キズイタ……