「はぁっ、はぁっ…」


暗闇の中を一人の少女がひた走る。青白く細い太腿につくくらいの茶色の髪を振り乱しながら裸足で一心不乱に路地裏を駆けていく。呼吸は乱れに乱れ、もう足取りもふらふらで走っているのかも分からなくなったそんな時、後ろから怒号と数多の足音が聞こえてきた。


「っ、……」
少女はガタガタと体を震わせ嗚咽を洩らしながらも懸命に足を前に出す。
だが、屈強な男達に敵うわけもなく呆気なく見つかった。
「おい、いたぞ!!」


少女はびくっと大きく体を震わせ転がるように駆け出す。声を聞きつけ集まってきた男たちは少女を捕まえるべく走り出す。