カプセルにセットするドールは、は黒く丸い塊であるが、カプセルにセットし、アカウントにログインすれば、アカウントそっくりの小さな人間になる。
体長は30cmほど、体格はアカウント次第で変化する…だが、ドールはドールカプセルの中で寝なければならない、なぜなら、死んでしまうからだ。
ドールを心無い人形と蔑む輩も多いが、ドールにはタマシイプログラムが組み込まれていて、ココロはあるのである。
詳しくは知らないが、ドールはとにかくいいらしい。


…朝…

トントンと階段を降りて、母さんにおはようを言う、父さんはまだ寝ているらしく、母さんに起こしてもらうことにした。
私の家から電気屋まではかなり遠くにあるため、父さんに送ってもらうことにしたのだ。奥から頭をポリポリと掻きながら父さんが出てくる。
「父さん、早くしたくして!電気屋こむから。」
早くカプセルを買いたくてついつい父さんを急かしてしまう。焦ったのかソファーにつま先をぶつけながら部屋に戻って行った。しばらくして父さんが出てくると、素早く車が停めてある駐車場へ行く。
父さんは運動中はほぼ無口だ、それは私もそうだ、運動中はケータイをいじって過ごしていた、今日も、いつもと同じくケータイをいじって過ごす。
特に楽しいわけでは無いが、他にやることも無いからだ。
『着いたぞ、またお前はケータイをいじっているのか。良く酔わないもんだな。
』父さんは苦笑しながら言った。
早くカプセルとドールを買って帰りたいな。父さんは私の気持ちを悟ったのかそそくさと店内へ入って行った、父さんの後に続いて私も店内へ入った。
『『いらっしゃいませぇー!』』
店員の声量が大きく店内に響いていた、私は少しビクッとしたが、目当てのカプセルとドールカプセルを見つけたので機嫌が良くなった。
父さんが店員を呼び、家に配達して設置してもらう手続きをとり、早々に切り上げ家に帰った。
父さんに半分ほどお金を出してもらったため自由に使えるお金が増えた、少しづつ使うようにしなければならない。

家に着くともう電気屋のトラックが停まっていた。母さんは笑顔でこちらに手を振りながら走ってきた。
『今終わった所よ。まぁ、テキパキこなしていたわ。』
母さんはそう言うとパタパタと走って行った、私より元気そうだ。
家に入ると電気屋の業者さんが居た、母さんが出した冷たいお茶を美味そうにのんでいた。