「確かに、その通りだよ?誉、今までロクな恋愛してないじゃん。知ってる知ってる本気になれなかったんだもんねぇ」


「なにその私知ってますよーって言い方。特に話してないじゃんさぁ」


誉、西宮誉(にしみや ほまれ)は私の事だ。
年齢は25、独身、彼氏無し、職業は歯科助手。
地元を離れて早5年、たまに帰りたいと思うけれど慣れてしまったこの土地から田舎に帰るなんてしたくなくて。

縋り付いて、生きている。

「あ、そうそう。誉ってゲームとか好きじゃん?」


「んー?うん、嫌いじゃないよ」


「んじゃあさ、これ、やってみない?」


差し出されたスマホを覗き込むと、昔見たことのあるネットゲームのサイトだった。
確か、チュートリアルで詰んでやめた気がする。


「で、これでなんかあるの?」


「私が入ってるギルド、みーんなネナベなの」


「……はい?」