「どうしたの」 草野は戻ってくるやいなや、浴衣を着て縁側に座っているえつこを見て笑った。 「おば様にやってもらっちゃった」 水色のバケツに、澄んだ水がちゃぷちゃぷと音を立てる。 えつこはそこに足を沈め、涼んでいた。 「俺も」 草野も中に足を入れられるほどバケツは大きくなかったが、無理やりねじ込み、 えつこのちいさな足と触れ合った。