「考えはまとまった?」

草野は黙っている。

「わ、私は草野の決めたことに従うつもりだから、私のことは全然気にしないでいいよ」

えつこは自分の存在が草野にとって邪魔ではないかを気にしていた。

「べつに…俺、えつこのことはえつこが好きにすればいいって思ってる」

「……」

こんな満ち足りた生活をしているのに
草野の心はどこまでも乾いていた。

どこか、どうでもいいようなそんな素振りをよく見せる。

地にしっかりと足がついてないのだ。