「ちょっ、ゴメン俺渚に用があるからっ……!!」


「「え゛ーまた渚ちゃん!?」」

みんながぶつぶつ文句を言っている。
そうだよね、私達が付き合ってるって…
皆は知らないんだからさっ…

「渚、来て。」

「うん…」


私は涼介に連れられて、人気のない南階段来た。


「渚…ゴメン。」

やっぱ別れ話じゃん。
私は涙が出そうになるのを必死で我慢した。
でも次々に涙が溢れてくる。


「渚、泣かないでよ。」

「ウッ……泣かせた…ッ…のは涼介…じゃん」
「…俺さ、中学のトキ荒れててさ……」


涼介がポツリポツリと話しはじめた。


「でも、入学式の日に、渚に一目惚れしたんだ。それで、今までの女とか全部手きったから…だから…」

涼介が今にも泣きそう顔で必死に話している。

涼介は私のことちゃんと好きでいてくれたのに……



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