私の着ていた服はそこまで部屋着って感じでもないから、と。
急かされながら準備して、和泉が車で私を送ってくれた。しかも、着替え終わったらまた倉庫まで連れていってくれるらしい。
「和泉が優しい」
「ばか。いつでも俺は優しい」
「知ってるけどね」
早急に着替えて車に戻ると、「乃唯に連絡しとけよ」と言われて。スマホを取り出す。……あ、充電するの忘れた。
あと少しで電源が切れてしまうけど、梓に言ったら貸してくれそうだからあとで貸してもらおう。
『羽歌?どうした?』
「あ、あのね。いま倉庫向かってるから、迎えはいいって連絡しようと思って」
そう言えば、電話の向こうが一瞬ざわつく。
『岬。迎えに行かなくていい』
『は?あいつ来ねぇの?』
ちょうど迎えに来るタイミングだったらしい。言っておいてよかった……入れ違いになれば、確実にあとで岬に怒られる。
『まさかとは思うが、
ひとりで出歩いてるわけじゃねぇな?』