それだけ言って、ハチさんは乃唯や咲乃のところへと行ってしまう。
あたりを見回して、稀沙がいないな、なんて思っていれば。すこし離れたところで、柚ちゃんと楽しそうに会話していた。
というよりも、稀沙の手が彼女の頭に乗っていて。頭を撫でられてるのか、柚ちゃんが顔を赤く染めてる。可愛らしい。
「──羽歌!」
「あら、羽紗じゃない」
夕咲を置いて駆け寄ってくるのは羽紗で、そのままぎゅうっと抱きついてくる。
羽紗の頭には、夕咲が買ってくれたんだろうひまわりのピンどめがついていて。
最近羽紗からノロケを聞いてたけど、ラブラブでいいなぁと思ってる自分に笑えた。
和泉にキスされることとかはあるけど。ラブラブとは、お世辞にもいえなかったりする。
「んじゃ、俺は岬んとこ行ってくるわ」
私たちを見かねたらしい和泉が離れていって。
普通の姉妹はどんな話をするのかあまり想像がつかないけど、「和泉とはどうなのー?」「そっちこそ」なんて、自然と話題がお互いの恋愛事情になる。
「別に、何も変わらないわよ」
「羽歌、最近さらに綺麗になったね」
「……そう?」
「うん、とっても」