「ほんとに、

上手くいったみたいでよかったわね」



「そうだね。

じゃあ、俺はそろそろ帰るかな。柚のとこ行ってくるし」



「稀沙帰るのか……

なら、俺と乃唯は倉庫に行くかな」



「……ああ」



「羽歌、またね。

なんかあったら連絡して」



「うん。来てくれてありがとう」



稀沙、乃唯、咲乃の3人が帰るのを見送って。部屋には岬とふたりきりになる。




「色んなヤツが出入りしてるから疲れるだろ」



「ふふ、大丈夫よ。

みんなが来てくれて嬉しいもの」



「……そうか」



ふ、と彼の手が私の手に重なって。そっちに気を取られて視線を落としたとき、下から掬うようにふわりと口づけられた。



軽く触れただけで離れるけれど、至近距離で視線が合って。



「ん、っ……」



今度は何度も深く口づけれて、そのまま溺れてしまいそうになる。誘ったのは私のほうなのに、なかなか話を切り出せない。