「羽歌、」



「や、だ……」



「………」



眠ってる、よな?



「い、かないで」



「っ、」



可愛すぎて、どうしようもねぇな。行かないで、なんて。俺がお前から離れるわけねぇのに。今だって。




「ほかの男のもん、か」



我慢しなくていいなら、その唇を塞ぎたい。唇だけじゃ、止まらないだろうけど。



「そばにいるから安心しろよ」



やっぱり、羽歌を大切にしたいから、傷つけるようなことはしない。──しばらくそばにいると、安心したのか本格的に眠りに落ちたのか、羽歌の手が離れる。



なんだかそれが惜しくなりながらも、部屋を出てリビングで仕事の残りをこなしていた。



「晩飯作るか……」



──18時半。パソコンを閉じて伸びをしてから、とりあえず晩飯作りに取り掛かる。

泊まりにくるって初めに言ってたから、ちゃんと食材は補充済みだ。