「いいですけど、

──そいつ、俺のなんで」



抱き上げた羽歌は、間違いなく俺の腕の中で安心したように眠ってる。それなのに。



「……わかってる。

明日、また倉庫まで連れてくから」



「──いや、大丈夫です。

明日は俺が用事あって行けないので、羽歌のことどっか連れて行ってやってください」



「俺が暇みたいじゃねぇか」



「呼び出したらすぐに来れるじゃないですか」



それもそうだけどな。




「わかった」と言えば、岬が優しく眠る羽歌の頭を撫でるから。



「惚れ込んでんな、お前も」



「後々後悔するつもりはないんで。

車まで荷物持ってくんで行きましょう」



「ああ」



ノンやハチ、葉月はその場に残して。岬と店を出ると、近くにとめておいた車の後部座席に羽歌を寝かせる。



「荷物、助手席に置いときます」



「ん。さんきゅ」