「今のは挨拶だ。
まぁおまえは初めての事だから、どうしようもないと思うけどな」
一瞬にして達が怖くなった。
手錠をはずしてくれる行動さえ、恐怖と捉えてしまう。
「あの... 一つだけお願い聞いてくれませんか」
あたしの願いなんか聞き入れてくれるわけないと思う。
だけどあたしには、いつかこの人に聞いてもらいたいそれがある。
「聞くだけ聞いてやってもいいぞ。
いいか、俺が手錠を外してやった理由は、おまえが逃亡しやすくさせるわけじゃない。
それがわかっとけ」
聞く耳、持ってくれるんだ。
それが嬉しかった。
ん?
そんなこと言って、じゃあ何で手錠を外したんだろう。
まぁいいや。
こちらにとっては、好都合なことだ。