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「…か、杏果!」

「…っお母さん…?」


「あんた馬鹿じゃないの!?きょ…杏祐くんの後追いなんかするんじゃないわよ!!」

「え…?」


ぼろぼろに泣いた顔のお母さんが私を抱き締める。


「同じようにあんたも猫だか犬だかを守って轢かれてやがんでしょうが!!」


全ッ然記憶にないけど、お母さんが言うならそうなんだろう。


「ごめん」

素直に謝る。


本当よ、とお母さんがベッドに顔を埋めた。


体を捻ると、


「え………」



花のネックレスが、首元でしゃらんと鳴った。


「あ…う、あ…」


「あら…、このネックレスどうしたの」


「杏祐…杏祐…っ」


うわああああああ、と私の泣き声が病室に響き渡った。



「杏祐くんが、」


助けてくれたんだわ。




無意識なお母さんの呟きに、激しく頷くことしかできなかった。