病院で診察を受けて、電車に乗った。

「軽い捻挫でこんなに腫れるのか…?」

「…でも2週間で完治するみたいだし…良かった。」

「今日は寝るなよ」

「分かってるよ」

電車を降りて、また悠におんぶしてもらって、マンションに着いた。

悠に鍵を開けてもらって、中に入る。

「へぇ…思ったより綺麗じゃん」

「思ったよりって…どんなの想像してたの?」

「え…なんか、すごいの…」

「ひどいっ」

「ちょっ、暴れるなって!」

今日は随分悠に甘えちゃった…

「今日はありがとう…重かったでしょ?」

「……犬は少し太ってるくらいがちょうどいいだろ」

「うっ…」

「じゃあ、俺帰るな」

「本当にありがとうね」

「食べ過ぎて豚になるなよ」

そう言って、悠は部屋を出て行った。


悠のおかげで、自分の中にあった何かが吹っ切れた気がした。

“お前が変わりたいって言っても、誰も責めたりしねぇよ”

「……」