悠の部屋からは、綺麗な月が見えた。

「うわぁ綺麗な空…ちょっと窓開けるね」

窓を開けて窓の外に乗り出すと、たくさんの星が夜空に輝いていた。

吸い込まれそうなくらい、綺麗な夜空。

「うちの窓から見える星より多いや…クシュンっ」

「髪乾かしてねぇのに…風邪引くぞ」

後ろから伸びてきた悠の手が窓を閉めた。

「ふふっ、悠ってお母さんみた…」

ぎゅっ

急に悠の腕が私の身体を包んだ。

後ろから抱きしめられた私は何が何だかわからず、その場で固まってしまった。

「……」

悠の体温が伝わってきて、さっきまで冷えていた身体が熱くなる。

心臓の音がうるさくて、頭が真っ白になる。

ドクンっドクン…

顔赤い…絶対赤い…悠、何考えてるの!?

悠のほう向いたら顔赤いのバレるし、ていうか悠の力強いし…

でも、もう心臓がもたないっ!!

「ゆ、悠っ」

「……悪い」

我に返ったように、悠は私の身体を離した。

「……お前の部屋、隣だから」

「う、うん」

そう言って、悠は着替えを持って階段を降りて行った。

ドキンっドキンっ

まだ、心臓がドキドキしてる。

前はこんなことなかったのに…なんでこんな気持ちになるの…?

悠の近くにいるだけで、心臓がドキドキしたり…

胸が苦しくなったりする。