ガタンガタン

ガタンガタン

電車の音だけが車内に響く。

私と悠の住んでいる町は、学校のある都会から結構離れている。

だから、最初は人でいっぱいだった車内も、今はガランとしている。

悠と私の肩が時々ぶつかる。

人がいなくなったのに、こんなに悠のすぐ隣に座っているなんて…おかしいかな?

「あの…?」

さっきから全然動かないなと思ったら、悠は私にもたれかかって寝息を立てていた。

「悠…」

綺麗な顔…

意識すると自然に心臓の音が速くなったのがわかった。

動くに動けないし…

私もいつの間にか悠の隣を心地よく感じていた。

もう夏が近いというのに、全然暑く感じることはなく

とても温かかった。