「な、なんだお前!女はどいてろっ!」

「お前っ…!」

「お願い…悠を殴らないでっ…」

「お前は後で可愛がってやるからどいてろ!!」

ぐいっ

左腕を無理やり引っ張られたと思ったその時、右手を強い力で引かれて

悠の匂いに包み込まれた。

「……っ!?」

「こいつ、俺のなんで触れないでもらえますか」

「あ?」




「怪我したくなかったらさっさと失せろっつてんだよ」




低い冷たい声。

こんなに怒った悠の声を初めて聞いた。

「ちっ…なんだこいつ…行くぞ!」

悠の声に驚いたのか、その人たちの遠ざかって行く足音が聞こえた。