名前もわからない女子に連れられて、俺はひと気のない旧校舎へ。

「宇佐美くん、ずっと前から好きでした!」

「…」

「付き合ってください」

これで何人目だ。

なんで顔も名前も知らない女子と付き合えるんだ?

顔を赤くして、恥ずかしそうに俺を見る女子。

………

「……ごめん」

この瞬間はちっとも慣れない。

うまく断る方法があるなら教えてほしい。

こう言うと、必ず女子は…

「……っ、ご、ごめんなさい!」

泣いてどこかに走っていく。

俺だって泣かせたいわけじゃないけど…

まぁ、正直どうでもいいってのが本音かもしれない。