嫌じゃないって言ったら、嘘になる。

でも、私はこれくらいしか…

「おい、なにぼおっとしてんだ、このアホ犬」

「あ…アホ犬…?」

「さっきから難しい顔しやがって…今日の弁当まずかったか?」

「う、ううん!すごくおいしいです」

「……」

あれから、ちょくちょく宇佐美くんはお弁当を作ってきてくれる。

本当にこの人…なんでもできるんだな。

勉強もスポーツも、料理もできて

男子からも女子からも人気があって

私とは住む世界が違う人。

私なんか、宇佐美くんのお弁当でいくら勉強したって

全然上手にならないし…

「お前、なんかあったのか」

「…え」

「いつも以上に暗い」