「おいしい!!」

「…」

「これも…これも…」

あ、綺麗な卵焼き…

口に入れるとやっぱり少し甘口で、でもすごく優しい味。

これが悠の卵焼きの味…

「おいしい…」

「そうか。」

その時の私を見つめる悠の視線が、とても優しくて

珍しく微笑んだこの人に少しドキッとしてしまった。

「いつも作ればいいのに…」

「嫌だよ、めんどくせぇ…」

こんな料理作れるのに、いつも菓子パンだなんて…

もったいない。

「……」

今日は私のためにわざわざ、作ってくれたんだ…

「…でも、お前が望むなら」

「また作ってやってもいい」

「えっ!?」

「気が向いたらな。」

どうやったらこんなに上手に作れるんだろう…

彼の料理から少しずつ学んで、いつかはお返ししてあげられるようになろうと

そっと心に決めた。