「何?今日もあの下手くそな弁当?」

「なっ…これでも頑張ってるんです」

合田は初日以外、自分で作った弁当を持ってきていた。

それも下手くそなやつ。

健康面に気をつかってるから、菓子パン生活は嫌なんだとか言うけど

「もう少し、マシなの作れよ」

彩りも、見た目も、全然ダメ。

味なんか本当薄味すぎて食べられたもんじゃない。

「文句言うなら食べなければいいじゃないですか」

「うるせぇな」

俺は不恰好な卵焼きを口に入れた。

こいつ、卵焼きだけはうまかった。

「お前、卵焼き作れんのになんでおにぎりの味付けはめちゃくちゃなんだよ…
味見とかしないわけ?」

「だって…衛生的にどうかと思って」

変なところで潔癖性。

それでも俺のアドバイス実行してるのか、少しずつ上達はしてるみたいだ。

「お前、よくこんなんで今まで生きてこれたな」

「……」

「中学のとき、家庭いくつだった?」

「3」

「ふーん、まぁまぁじゃ「10段階中」

「……お前、本当にメスか」

「一応お・ん・な です。」