あ、いけない…プレゼント渡すの忘れてた。

「悠っ…」


「あ?」


「目、つぶってください」


「なんでだよ」


「いいから」


悠は嫌々ながら、目をつぶってくれた。


私は、かばんからマフラーと手袋を取り出すと、悠の首にふわりと巻きつけた。


手袋もちゃんと手にはめる。


「目、開けていいよ」


「……なんだこれ。」


「1日早いけど…誕生日おめでとう。」


「誕生日…?」


「もう、明日だよ?忘れてたの?」


「…」


「一回でいいから…自分の編んだマフラーと手袋、悠の着けてるところ見たくて…ごめんねっ。」


「不恰好だから…気に入らなかったら捨ててもらって構わないし…」


「捨てるわけねぇだろ…こんなの…」



「サンキュー…」


悠は照れ臭そうに、マフラーに顔をうずめた。