そして、当日。


私は慣れない格好に戸惑いながらも、桃奈ちゃんが勧めてくれた白のニットに藍色のスカートで待ち合わせ場所に向かった。


待ち合わせ場所には、まだ10分前なのに、もう悠がいて


「…ごめん、待った?」


「い、いや、今来たところだけど…」


「そっか、良かった」


あれ?なんか男女逆の気もするけど…


「お前…その格好…」


「桃奈ちゃんが勧めてくれたんだけど…やっぱり慣れないことするもんじゃないね」


「……まぁ、犬は何しても一緒だからな」


「はいはい、分かってますよ!」


その悠はというとジーパンに黒のダウン姿で、どこにでもいそうな格好なのに、かっこよくみえるのは私だけではないはず。


その証拠に、道ゆく人が振り返ることもしばしば。


「ねぇ、あの人かっこよくない?」


おかげで、私はずっと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


こんな私が、悠の隣を歩いてていいのだろうか…


「何ぼおっとしてんだ、早く行くぞ」


「う、うん」