「うん……。でも、いいの。ありがとう」

こんな直樹の優しさがまりえを苦しめる。

直樹が私のせいでいじめられたら……。

考えただけで呼吸が止まるようだった。

「……やっぱ先生に……」

「ほんと!大丈夫だからっ!直ちゃんは気にしないで!ほら!勉強しなきゃでしょ?」

直樹を無理矢理部屋から追い出すと、まりえの瞳から涙が流れた。