「ため息、3回目。幸せ逃げてくぞ?」




後ろから見ていたらしく、そんなことを言われた。





もう幸せなんて逃げていったよ。



駆琉が事故に遭ったんだから。





なんて今は言えないから、代わりにフイッと顔を逸らした。




「あ。…なんかあったろ?」




私を追い抜かして振り返り、そう言って首を傾げた。




「なんもない。」




下の方を向いて言ったから、蓮が近づいてきて顔を覗きこんできた。



一歩後ずさって、目を泳がせる。



そんな私を見て、

ふはっ!

と笑い出す。