「おっさん、質問が2つあるんだが」

俺は守屋に聞いた。

「おっ、おっさん?それは私のことですか? 」

お前以外にいったい誰がいるんだ?

「あぁ、そうだよおっさん」

「擬人君、目上の人に向かって失礼でしょう。ちゃんと守屋さんと呼びなさい」

守屋が不満げに言った。

「じゃ、おっさんも擬人って呼ぶのやめてくんないかな? ちゃんと拓って名前があるんだ」

擬人っていう言葉の響きが嫌いだった。

「分かりましたよ、拓君。これでいいですか? 」

「ああ、それでかまわない、守屋さん。で、質問かまわないか?」

「かまわないですよ」

「まず一つ目だが、あのスティック、ありゃなんだ?」

「あぁ、これ」

そういって守屋は腰のあたりからまたスティックを取り出す。

「これはジリと呼ばれる武器ですよ。もともと望楽土で使われていたものを、私用にアレンジしたものです」

そう言いながら、ジリをひゅんひゅん振ってみせる。

「ってことは首狩事件の犯人は守屋さんなのか?」

「まあ、全部が私ではありませんけどね」

首をすくめながら、守屋はおどけた口調で言う。

ふん、守屋以外にもジリを使ってキヨノの回りの人間を殺した奴がいるってことか・・。

「二つ目の質問だが、あのお面の奴は何なんだい?」

最初は守屋が特別だと思った。