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第十八話:脱出
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守屋は僕たちを同じビルにある一室に閉じ込めた。

そこはホテルの一室のような部屋で、風呂やトイレだけでなく冷蔵庫まで付いている。

ベッドも二つあった。

ベッド・・。

よく考えたら、今日僕はキヨノさんと同じ部屋で眠るんだ。

それを考えると僕は急に緊張してきた。

「ごめんなさい・・」

不意にキヨノさんが言った。

「えっ・?」

僕はおどろいた。

一緒の部屋が嫌ってこと?

「私のせいでこんなことになって・・」

キヨノさんは申し訳なさそうに言った。

あぁ、そのことか。

「全然気にしていないから大丈夫だよ。今のところピンピンしているし」

僕はキヨノさんを安心させようと、にっこり笑いながら言った。

命が狙われているとかは正直どうでもよかった。

「でも・・」

「キヨノさん、前に、楽しいことなんてないって思ってた・・、って言ってたよね。あれ、僕も同じだったんだ」

僕はベッドに腰かけながら言った。

「えっ?」

「僕、小学校の時ひどいいじめにあってたんだ。それこそ死にたくなるぐらいの・・」

「いじめ・・」

「無視されたり、殴られたりなんてのは当たり前。それが毎日続くんだ」

「ひどい・・」