----------------------
第十七話:極(きょく)
----------------------
私の名前は守屋義文(もりやよしふみ)。
望楽土と敵対する組織に属している。
組織の名前は極(きょく)。
私もかつて望楽土に属していた。
いや、属していたというよりも飼われていた。
私の両親は本当の両親ではなかった。
ただ、虚(うつろ)の候補体である私を望楽土から与えられただけだ。
私は誰からも愛された覚えがない。
父親も母親も、できるだけ私にトラウマを与えようとしていた。
いや当時のことを考えると、私という概念は適当ではないかもしれない。
なぜならば、守屋京子(もりやきょうこ)というのが、その時の名前だったからだ。
私は京子によって生み出された、擬似人格。
一つの体を共有するもう一人の自分。
それが私だった。
私は京子のことが好きだった。
決して結ばれることはないけれど、京子の手も髪も体も心もすべてが好きだった。
でも、京子はもういない。
望楽土の仕打ちにより京子は生きる気力を失った。
そして、京子は私の中から消えていった。
残された私は永遠に一人になった。
極(きょく)は私を利用しているだけかもしれない。
でも別にそれでかまわない。
私も極(きょく)を利用して望楽土に復讐(ふくしゅう)する。
*
第十七話:極(きょく)
----------------------
私の名前は守屋義文(もりやよしふみ)。
望楽土と敵対する組織に属している。
組織の名前は極(きょく)。
私もかつて望楽土に属していた。
いや、属していたというよりも飼われていた。
私の両親は本当の両親ではなかった。
ただ、虚(うつろ)の候補体である私を望楽土から与えられただけだ。
私は誰からも愛された覚えがない。
父親も母親も、できるだけ私にトラウマを与えようとしていた。
いや当時のことを考えると、私という概念は適当ではないかもしれない。
なぜならば、守屋京子(もりやきょうこ)というのが、その時の名前だったからだ。
私は京子によって生み出された、擬似人格。
一つの体を共有するもう一人の自分。
それが私だった。
私は京子のことが好きだった。
決して結ばれることはないけれど、京子の手も髪も体も心もすべてが好きだった。
でも、京子はもういない。
望楽土の仕打ちにより京子は生きる気力を失った。
そして、京子は私の中から消えていった。
残された私は永遠に一人になった。
極(きょく)は私を利用しているだけかもしれない。
でも別にそれでかまわない。
私も極(きょく)を利用して望楽土に復讐(ふくしゅう)する。
*