俺が操るキヨノの体は、人間ばなれした速度と力を出せる。
体のすべてをコントロールすることで限界を超えて肉体を酷使できるからだ。
それは、反射神経においても同じだ。
なのに、この男はそれについてきた・・。
「手荒(てあら)なまねはしたくないんですよ。私と一緒に来ていただけませんかね? 」
「ふざけんな」
俺は守屋の手をつかみにいく。
つかんでそのまま投げ飛ばすつもりだ。
守屋は少し体をずらして、俺の手をかわした。
俺にはその動きが良くわからなかった。
「あぁ、ちなみに坂本サトシでしたっけ? あの少年もいますよ」
守屋はとぼけた口調で言う。
「なに?」
サッシがこいつに捕まっている?
やばい・・。
急に意識が朦朧(もうろう)とし始めた。
キヨノが起きようとしているんだ。
くそっ、サトシっていう言葉に反応して・・。
キヨノこいつについていっちゃ駄目だ。
くっ・・、意識を・・保て・ねぇ・。
・・・・。