柳田がそう言うのと同時に、高瀬がキヨノさんの肩をつかむ。

キヨノさんは高瀬の制止を無視して、部屋を出ようとする。

キヨノさんは、どうしちゃったんだろう？

突然、帰ろうとするなんて。

「おいっ、まだ話は残ってるんだ」

高瀬はそう言って、キヨノさんを引っ張った。

「うっ・・」

直後、高瀬が顔をしかめて痛みをこらえたような声をあげた。

見ると、キヨノさんが高瀬の手をつかんでねじっている。

「行かなくちゃいけないって言ったろ」

キヨノさんは男の子ような口調で言った。

その目は怒っているようにも見えた。

「おいっ、何をする？ 」

柳田が、キヨノさんに近づく。

キヨノさんは、高瀬を柳田に方へ投げつけた。

それは押すとかじゃなく、本当に片手で人を放り投げた。

「おわっ」

柳田が驚いて声をあげる。

二人はもつれあって、倒れこむ。