背後に気配が迫る。

チッ。

三人目の男だ。

アタシは振り向きざまにケリを繰り出す。

足はそいつの腹にもろにはいった。

蹴られた男がたまらずうずくまる。

アタシは、どちらにもスタンガンを浴びせ自由を奪った。

その上で、ライフルの男と同じようにビニールテープで拘束する。

ふぅ。

刑事さん来る前に片付いちゃった。

こんな素人ばかりだと張り合いがないなぁ。

とはいえ、坂本に狙われていることを教えないと・・。

土手に座っている二人を見ると、また抱き合ってる。

まったく好きだねぇ。

でも、そんな二人を見るとどうしてもイライラしてしまう。

何でだろう?

その瞬間、首筋にひんやりした感触がふれる。

それは知っている感触だ。

ナイフだった。

「お嬢さん、すごいじゃないですか」

耳元で男の声がする。

アタシは身動きが取れない。

「あなたみたいな人、大好きですよ」

男がナイフを動かす。